作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
原著論文
回復期リハビリテーション病棟入院中のクライエントと作業療法士の治療関係はどのような経験から成り立つのか
─解釈学的現象学の方法を用いて─
嶋田 隆一石井 良和ボンジェ ペイター塩路 理恵子
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 40 巻 5 号 p. 581-590

詳細
抄録
治療者・患者関係,質的研究,回復期リハビリテーション 要旨:作業療法士(以下,OTR)とクライエント(以下,CL)が,治療関係構築時の経験をどう意味づけているかを理解するために解釈学的現象学による質的研究を行った.回復期病棟入院中のCLとOTR 3組に参与観察と面接を実施した.その結果,治療関係構築の意味づけとして,CLでは6つ,OTRでは5つのテーマが明らかになった.OTRとCLの間には,関係構築のための関わり,経験の共有を通したOTRとCLの関わり,関係の帰結に向けての関わりがあると示唆された.治療関係構築についてOTRは〈思いを汲み取ろうという態度〉と意味づけており,CLは〈改善の兆候の実感〉や〈いまの自分を知ってくれている存在〉と意味づけていた.
著者関連情報
© 2021 一般社団法人日本作業療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top