抄録
本報告の目的は,高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法(以下,LAES)の実施によって悲嘆感情が変化した要因と,運動の動機づけが向上した要因を検討し,心不全患者に対する作業療法の臨床上の提案をすることである.悲嘆感情が変化した要因は,LAESによって夫との楽しかった思い出のみが活性化し,運動の動機づけの向上は,楽しさを得た花壇管理の内発的動機づけによって自然に身体を動かし,歩行の重要性を認識したからである.よって心不全の作業療法の提案として,心理的問題のある心不全の対象者には,LAESの実施で余暇活動の内発的動機づけを開始し,LAESの楽しさの特徴を活かした余暇活動によって運動の動機づけを向上させることである.