文献レビューにより,上肢外固定が自動車運転能力へ与える影響を整理した.8つのデータベースとハンドサーチから文献を抽出し,7論文を採用した.6編が健常者を対象とし,1編で対象の明確な記載がなかった.外固定の内訳延数は,前腕キャストが5編,前腕スプリントが2編,サムスパイカキャストが2編,Bennettキャストが2編,スリングが1編,肘上キャストが1編,肘上サムスパイカスプリントが1編,サムスパイカスプリントが1編であった.これらすべての外固定時に何らかの運転能力の低下が生じ,肘関節を含む上腕からの固定や母指を含む固定時に著しい運転能力の低下を認めた.今後は患者を対象とした研究が必要である.