2022 年 41 巻 2 号 p. 166-170
認知症の人が社会参加をするための作業療法について,想い,役割,先入観という視点から考察した.認知症の人の言動に内在する本人の想いを受け止めること,役割獲得モデルによって段階に応じた役割獲得を支援すること,認知症の人に対する先入観,レッテル,スティグマ,偏見を払拭し,認知症の人の多様な可能性を示すことによって,多くの認知症の人が希望を持って社会参加することが可能になると思われる.作業療法士は,認知症の人を受け入れる社会の素地を創ること,すなわち,認知症の人が安心して生活できる社会に変えることが必要だと考えている.