抄録
本研究の目的は,地域在住高齢男性と女性における新規要介護認定発生と健康関連状態との関連性を明らかにすることであった.対象者は5,900名の地域在住高齢者であり,2017年の健康関連状態(運動器機能,口腔機能,栄養,社会参加・支援,抑うつ状態,認知機能,健康管理,主観的健康状態)に関する質問紙調査結果と2年間の要介護認定情報を結合し,新規要介護認定発生リスクとなる健康関連状態について男性と女性それぞれで分析した.男性では,運動器機能と主観的健康観の低さ,女性では運動器機能と主観的健康観の低さ,認知機能の低さが新規要介護認定発生と関連した.地域での作業療法実践では性差を考慮した展開も必要である.