抄録
本研究は,通所リハビリテーションを利用する要介護者を対象に自己効力感に影響を与える因子を調査した.対象者を要介護1から2(軽度群),要介護3から5(中重度群)に分けた.各群のGSESの得点を従属変数,FAI,運動FIM,認知FIMを独立変数として重回帰分析にて統計解析を行った.さらに,得られた因子の下位項目を数量化Ⅰ類にて順位付けを行った.軽度群ではFAIが選択され,「勤労」,「力仕事」,「趣味」の順番に影響を与えていた.中重度群では運動FIMが選択され,「食事」,「トイレ動作」,「排泄」の順番に影響を与えていた.GSESに影響を与える因子は介護度によって異なり,介入する視点を考慮する必要性が示唆された.