作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
視覚入力による固有感覚の仮想的脳内反復付与は脳梗塞後の運動失調に影響するか?
─シングルケースによる探索的検討─
廣瀬 卓哉丸山 祥金子 文成
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2022 年 41 巻 3 号 p. 333-339

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抄録
視覚で誘導される運動錯覚(KINVIS)を用いた介入(KINVIS療法)が,視床損傷に起因する上肢の運動失調に及ぼす影響を検討した.症例は視床梗塞により左上肢に運動失調を呈していた.介入は10日間であり,20分間のKINVIS療法を実施した後に40分間の作業療法を行った.結果は,単回介入による即時効果,および反復介入期間前後で運動失調の軽減を認め,さらに10日後の評価においても機能が維持されていた.さらに,物品操作能力の改善や,生活場面上の問題の改善を認めた.上肢の運動失調に対する治療法として,今後もKINVISの効果を検証していく価値があるものと考えた.
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© 2022 一般社団法人日本作業療法士協会
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