作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
作業機能障害に焦点を当てた介入がリカバリーに前向きな変化を及ぼした統合失調症の一事例
葛岡 哲松岡 太一川口 敬之
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2022 年 41 巻 3 号 p. 340-347

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抄録

入院中の統合失調症者に対し,作業機能障害に焦点を当てた介入を行い,リカバリーに与える影響を検討した.評価は作業機能障害の程度,リカバリープロセス,語り,行動,注意サインの出現回数とした.介入は作業機能障害の原因を面接にて共有し,希望する作業を実施するための環境調整や,症状に対する対処プランの作成を協働で行った.その結果,注意サインの出現がなくなり,作業機能障害の改善とともに本人の語りや行動,リカバリープロセスに前向きな変化がみられた.作業機能障害に焦点を当てた介入は当事者の主観的体験を捉え,協働することに貢献すると考えられ,リカバリー志向の作業療法における具体的方策の一つとなる可能性がある.

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© 2022 一般社団法人日本作業療法士協会
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