作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
認知症を合併した急性大動脈解離Stanford A型の高齢者に余暇活動の楽しさを提供して退院となった事例
本家 寿洋伊藤 耕栄
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2022 年 41 巻 4 号 p. 471-480

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抄録
急性大動脈解離Stanford A型の偽腔開存型のAさんは,BPSDと息みのある更衣動作や排泄動作で血圧が上昇し,認知症で会話が成立しない状態であった.そのAさんに過去の楽しさの語りを促進する用途のある高齢者版・余暇活動の楽しさ評価法を行うと会話が成立し,不安な表情も消失した.そこで,血圧上昇が生じない生活を実現させるために,編み物の〈達成感の楽しさ〉と〈現在に想いを広げる楽しさ〉を提供してBPSDを減少させ,息みのない更衣・排泄動作をめざして作業療法を実施した.その結果,AさんはBPSDが改善し,声かけで息みのない更衣・排泄動作も可能となり,グループホームに戻ることができた.
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© 2022 一般社団法人日本作業療法士協会
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