抄録
本研究の目的は,介護老人保健施設で介護職と連携したクライエント支援のプロセスを作業療法士の立場から明らかにすることである.12名の作業療法士を対象者としてインタビューを実施し,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにて分析した.結果,16の概念,7のサブカテゴリーを生成し,【連携するための基礎を作る】,【知識と技術を共有する】,【作業療法士と介護職が共通認識を持ってクライエントを支援する】の3つのカテゴリーが生成された.そこから,一方通行でない,カテゴリー間やサブカテゴリー間,概念間を行き来する介護職と連携したクライエント支援のプロセスが明らかになった.