抄録
脊髄小脳変性症(SCD)の入院患者用に設計された集中作業療法(OT)の有効性について,症状の重複にかかわらず,上肢機能および認知機能が改善するか,後ろ向き研究で調査した.純粋小脳型10名と多系統障害型14名において,入院時と退院時に評価されたScale for the Assessment and Rating of Ataxia(SARA)の上肢項目とTrail Making Test(TMT)を前後比較した.OT後,両障害型においてSARA上肢とTMTともに有意な改善を認めた.したがって我々のSCD用OTは,多系統障害の有無にかかわらず,上肢機能および認知機能に対する効果的な治療と推断する.