脳卒中後に重度上肢麻痺を呈した一事例に対し,通常作業療法に加え,新しく開発した小型移動ロボットとパーソナルコンピュータ等で構築した上肢リハビリテーション支援システムで自主練習を行い,本システムの有効性を検討した.介入は1日計40分を14日間,全2期間実施した.その結果,自主練習として合計27日間使用することができ,機器の準備も対象者一人で行うことが可能だった.しかし,本システムの有効性は明らかにできなかった.今後は,研究デザインを再考したうえで事例を集積して本システムの効果を検証し,上肢機能に合わせたアプリ設定なども検討していく必要がある.