作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
有痛性手関節拘縮に対して新しい人工筋型動的牽引スプリントを試みた関節リウマチの1例
中山 淳砂川 耕作岡 久雄田野 確郎
著者情報
ジャーナル フリー

2023 年 42 巻 1 号 p. 89-94

詳細
抄録

近年,リウマチ手に対して局所の安静を確保することは,関節痛を軽減すると報告されている.また,拘縮手に対する運動療法の一つとしてダーツスロー運動の有効性が報告されている.そこで我々は,固定機能と矯正機能を兼ね備えた新しい人工筋型動的牽引スプリント(DTSaM)を考案した.DTSaMは,これまでの矯正部分の力源にマッキベン型空気圧ゴム人工筋を取り入れ,ダーツスロー運動と固定機能を併存させたスプリントである.今回我々は,本スプリントをリウマチ患者に適応したところ,装着開始8週経過時に可動域,疼痛および握力も改善した症例を経験した.本スプリントは疼痛軽減にも有効な福祉用具となりえる可能性がある.

著者関連情報
© 2023 一般社団法人日本作業療法士協会
前の記事 次の記事
feedback
Top