2023 年 42 巻 2 号 p. 151-159
自閉スペクトラム症のある児(Autism Spectrum Disorder;以下,ASD児)の作業遂行技能および適応行動水準と知的能力を同時期に測定し,これらの特徴や関連について調査することで,評価の有用性について検討した.結果,ASD児の作業遂行技能や適応行動水準は,定型発達児と比較して-1~-2SD以下の児が多く,各評価に基づいた支援の必要性が示された.作業遂行技能は〈身辺自立〉や〈家事〉の適応行動水準との関連が示唆されたが,知的能力との関連は限定的であり,今後より調査が必要であった.対象児や保護者のニーズに焦点を当てられるAMPSやVineland-Ⅱ適応行動尺度の有用性が示唆された.