2023 年 42 巻 2 号 p. 185-191
本研究の目的は動作観察場面での作業療法士(以下,OTR)と作業療法学生(以下,OTS)の動作観察視点の相違と助言による変化を明らかにすることである.方法は視線分析装置を装着し,片麻痺者の食事動作の動画を視聴した.その際に OTR 5名と OTS 28名(助言ありOTS群13名,助言なしOTS群15名)の視線データを取得し,5領域に分け比較検討した.結果,助言の有無にかかわらずOTRとOTSの視線停留割合は類似し,言語指示による観察視点を示すことで,特定の領域をより注視した.しかし,臨床推論を用いた指示ではOTSの視線に有意な変化は少なく,OTSの理解に合った助言量と内容の調節により,後の観察へとつながると考えられる.