2023 年 42 巻 4 号 p. 509-516
上腕骨骨幹部の病的骨折を有する高齢がん患者に対し,骨折部の安定性を保持しながら日常生活動作(以下,ADL)および生活の質(以下,QOL)を高める事を目的に,3Dプリンタ製肘継手を用いた上肢スプリントを作業療法士にて作製した.上肢スプリントを用いた結果,除痛や装着アドヒアランス向上,ADLならびにQOL向上に寄与する事が可能であった.患者の予後や活動性,使用期間などを適切に考慮し本スプリントを装着する事は,患者の更なるADLやQOL向上の一助となりうる.