作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
運転診断機能を有するドライブレコーダーを用いて安全な運転再開を支援した一例
─脳損傷者を対象とした事例報告─
田中 創吉原 理美伊藤 恵美
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2023 年 42 巻 5 号 p. 655-662

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抄録

【目的】ドライブレコーダーを用いて包括的に運転行動を評価し,対象者の運転再開を支援することを目的とした.【方法】脳損傷者1名を対象に実車運転評価を実施した.作業療法士は評価結果を書面にまとめて対象者へ郵送し,その内容について感想の返送を求めた.【結果】実車運転評価実施後のアンケートでは,自身の運転行動を客観的に振り返る機会を得たことに対する肯定的な感想が記載されていた.【結論】ドライブレコーダーを併用した運転評価を行い,その評価結果を書面にて呈示したことは,対象者本人が運転行動を振り返る機会となり,かつ,家族が対象者本人の運転能力を理解してもらう際に役立つ情報提供となった可能性が考えられた.

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© 2023 一般社団法人日本作業療法士協会
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