2024 年 43 巻 1 号 p. 114-120
40歳代女性の左片麻痺患者は,麻痺側母指と示指の指腹つまみが困難であったため,外来作業療法にて機能的スプリントを作製した.初期評価のMotor Activity Log(以下,MAL)のAmount of Use(以下,AOU)0点,Quality of Movement(以下,QOM)0点であった.外来作業療法を9ヵ月間行い,機能的スプリントを着用した練習を反復した結果,最終評価ではMAL(AOU・QOM)1.25点へ向上した.指腹つまみをサポートする機能的スプリントは,生活行為の中でできる作業を増やすための工夫の1つであり,日常生活に焦点を置いて介入することでできる作業の拡大につながることが示唆された.