作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
重度上肢麻痺と注意・記憶障害を呈した視床出血症例で集中的上肢機能訓練による機能回復と難易度設定による行動変容が奏功した一例
劉 濤竹林 崇平山 幸一郎小田 太士
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2024 年 43 巻 1 号 p. 121-128

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抄録

重度上肢麻痺に加え,種々の高次脳機能障害を呈する回復期リハビリテーション病棟(以下,回リハ病棟)に入院する事例に対して,集中的な上肢機能訓練と,注意・記憶機能の低下を主とした高次脳機能の特性に合わせた自主訓練と行動変容を促す手続きを工夫した.結果,入院過程の予後予測を上回る改善を認めた.上記より,回リハ病棟に入院する重度上肢麻痺と高次脳機能障害を呈する事例の退院支援に際して,集中的な上肢訓練ならびに,事例の高次脳機能の特性に合わせた自主訓練と行動変容手続きを工夫することは,上肢機能改善を図る際の一手段となる可能性がある.

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© 2024 一般社団法人日本作業療法士協会
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