2024 年 43 巻 2 号 p. 176-184
【目的】フロー理論を応用した挑戦と能力のバランスを調整するプロセス(以下,ACS)が,訪問リハビリテーション利用高齢者の生きがい感へ与える効果を検証することを目的とした.【方法】クロスオーバー試験とし,訪問リハビリテーション利用高齢者10名を対象とした.実験期ではACSを実施し,統制期では通常の訪問リハビリテーションサービスを提供した.アウトカムは主観的Quality of Life(以下,QOL)(Ikigai-9)とし,分析には一般化線型混合モデルを用いた.【結果】実験期・統制期間に有意差は認めなかった.【考察】実生活上で直面する課題に関する挑戦と能力のバランス調整は困難となりやすく,QOLへの肯定的作用は生じにくい可能性が示唆された.