2024 年 43 巻 2 号 p. 185-193
本研究は,幼児期前期の母子間の相互的なふれあい遊びがアタッチメントに及ぼす影響を探索的に調査した.対象は2歳代の子どもと母親の36組とし,母子間の5分間のふれあい遊びを分析した.アタッチメント評価は質問紙を用い,ふれあい遊びの評価は子どもの身体接触の合計時間等の量的項目と母子間の相互作用の項目とし,二項ロジスティック回帰分析で関連性を検討した.結果,アタッチメント安定性は,ふれあい遊び前に母親が子どもの意思を尊重できる,ふれあい遊び中の子どもの適度な情動表出,ふれあい遊び後の母親の情動応答性が関連した.よって,この一連の流れを伴った相互的なふれあい遊びがアタッチメント形成に重要だと示唆された.