2024 年 43 巻 2 号 p. 239-246
小児作業療法において目標指向型のトップダウンアプローチのエビデンスが示されている.本報告の目的は,注意欠如・多動症(以下,ADHD)児と母親の目標に対するホームプログラムの有用性を検討することである.今回,ADHDの診断がある女児と母親に対して,親子との協働の目標設定,家庭の文脈に適応したホームプログラム,適時的なコーチングを行った,その結果,Canadian Occupational Performance MeasureとGoal Attainment Scalingが向上し,目標とした活動に変化が生じた.子どもと保護者の意味のある作業に焦点を当てたホームプログラムを通じて,子育ての文脈の中でサポートを行うことが目標達成に影響する可能性が示された.