2024 年 43 巻 2 号 p. 280-287
【はじめに】左片麻痺を呈した小児の脳卒中者に対して,Constraint-induced movement therapy(以下,CI療法)に加えて家族参加型Transfer package(以下,TP)と自主練習を併用した介入を実施したので結果を報告する.【介入】家族が同席したうえで,装具・電気刺激装置を併用したCI療法を1日1時間,ロボットを用いた自主練習を30分/日を11週実施した.【結果】上肢機能評価において改善を示し,復学に対して前向きな発言が聞かれるといった心理的変化を認めた.【考察】精神的に不安定であった小児例に対して,家族参加型TPや自主練習はモチベーションの維持やモニタリングの改善につながり,麻痺手のみならず,心理面への変化を及ぼす可能性が考えられた.