2024 年 43 巻 3 号 p. 415-422
高等学校の通級指導を利用する生徒に対して,Cognitive Orientation to daily Occupational Performance(以下,CO-OP)の適用を試みた.結果,カナダ作業遂行測定により抽出された課題「聞き間違いを減らす」の目標が達成され,課題「数学の成績を上げる」では遂行度1→4,満足度1→4に向上した.さらに,介入後の自己評価による行動チェックリストでは社会性の問題,思考の問題,不安/抑うつが改善した.CO-OPは課題を解決するだけでなく二次障害を軽減する可能性があり,高等学校の通級への作業療法介入として有用であることが示唆された.