右後頭葉皮質下出血後に左四分盲を呈した事例に対して自転車運転の獲得を目指した実践

─医師や介護家族との協働─

抄録

今回，右後頭葉皮質下出血により左下1/4半盲を呈した70歳代後半の女性を担当した．この事例に対し，自転車運転の獲得を目的として夫と協働して実車練習をするなどして約4ヵ月取り組んだ．その結果，時間帯や経路の上の制約を認めたものの目標を達成することができた．本事例を通して，半盲患者の自転車運転の再開を目指した作業療法では実車練習を通した安全な方法の確立，医師や介護家族との協働が重要であると示唆された．