掌側ロッキングプレート固定術後の橈骨遠位端骨折患者92例92手を対象に,日本語版Tampa Scale for Kinesiophobiaのカットオフ値を用いて,術後早期の運動恐怖の弱い群と強い群に分け,これらの短期成績を比較した.運動恐怖の強い群の術後1ヵ月の労作時痛,手関節尺屈角度,Disability of the Arm,Shoulder and Hand(DASH)スコア,および術後3ヵ月のDASHスコアが,これらの弱い群と比べて有意に不良であった.掌側ロッキングプレート固定術後早期の強い運動恐怖は,短期的な客観的および主観的症状と機能の回復に影響を及ぼす可能性が示唆された.
「臨床リハビリテーション場面におけるクライアントとより良い関係を形成するためのコミュニケーションと介入技能評価(以下,CISA)」の開発を目的に,測定特性を検討した.セラピスト437名に54項目,5件法によるCISA案のWebアンケートを行った.項目分析,探索的因子分析,Rasch分析,残差の主成分分析,確認的因子分析,信頼性分析から,CISAは27項目,3因子構造,残差の主成分分析の固有値が2.83,Comparative Fit Indexが.92,Root Mean Square Error of Approximationが.07,Cronbachのα係数が.96となり,妥当性と信頼性の担保を確認した.