2024 年 43 巻 6 号 p. 797-804
本単一事例研究では, 右橈骨遠位端骨折外来患者に対して患手を使用した大切な作業の遂行を目指し, カナダ作業遂行測定による面接および自己モニタリングシートを併用した作業療法介入を行った. 介入期においてカナダ作業遂行測定の面接で特定された事例の大切な作業である調理について, 週あたりの実施回数をカウントし, ベースライン期と比較することで介入の有効性を検討した. その結果, 介入期における週あたりの調理回数は有意に増加し, 患手を使用した調理が可能となった. カナダ作業遂行測定による面接および自己モニタリングシートを併用した作業療法実践は, 患手を使用した大切な作業の実施状況の改善に有用であることが示唆された.