作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
作業中心の実践により描画の作業遂行の改善および参加が促された幼児期AMC児の事例
池部 淳東恩納 拓也
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2025 年 44 巻 1 号 p. 78-85

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抄録

本報告の目的は作業中心の実践(以下,OCP)が幼児期の先天性多発性関節拘縮症(以下,AMC)児の心理面と活動や参加の改善に寄与した要因を明らかにすることである.方法は単一事例報告で,描画用の自助具を導入し,月に1回,合計6回の介入を実施した.結果,描画の作業遂行,活動,参加,心理面の改善が認められた.結論として,幼児期AMC児の心理面の改善に寄与する要因として,代償手段の適応,児の強みの活用が有益である可能性が示唆された.また活動や参加を促す要因として,保護者の希望に基づく目標設定,描画を生活場面へ移行するための支援,母親が自身の行動の意義を実感するための支援が有益である可能性が示唆された.

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© 2025 一般社団法人日本作業療法士協会
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