終末期のがんクライエント(以下,CL)の緩和ケアでは,CLの意味ある作業の可能化が重要である.カナダ作業療法士協会は,CLが作業をできるようになるための必須条件として,可能化の基盤(以下,EF)と,CL中心の可能化のカナダモデル(以下,CMCE)を提案している.今回,終末期がんCLのA氏に対して,EFとCMCEを用いた作業療法を行うことで,A氏の意味ある作業である「ゲーム会」という作業の可能化を図ることができた.本報告により,EFやCMCEを用いることは,終末期のがんCLの緩和ケアを支援する上での一つの有効な手段になる可能性が示唆された.