作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
意味のある作業の共有により孤独感の軽減,希望感を強めた生活期重度脳卒中者の一症例
―iPadを用いた家族とのコミュニケーション手段の獲得―
白倉 研吾月井 直哉白倉 佑紀佐藤 由子篠原 智行
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2025 年 44 巻 2 号 p. 196-203

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抄録

重度片麻痺,重度構音障害を呈した症例に対して,症例の希望に沿った生活の実現を目指して,作業療法においてコミュニケーション手段の獲得を図った.パソコンを用いた後に,iPadを導入した.そして,症例と「自宅へ外出し,家族との時間を共有する」という共有の目標を設定した.多職種と連携を図り,症例は自宅へ外出することができた.症例はiPadを使用することで,家族とコミュニケーションをとることが可能となり,孤独感や希望,表情に変化を認めた.重度生活期脳卒中者において,症例と目標を共有した作業療法は,心理面に対して変化を促す可能性が示唆された.

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© 2025 一般社団法人日本作業療法士協会
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