2025 年 44 巻 4 号 p. 366-374
【目的】地域在住高齢者を対象としたICT機器を用いた作業療法介入の現状と効果をスコーピングレビューから明らかにすることである.【方法】文献は10のデータベースを用いて2023年9月までに発表された文献を検索し,5件の研究が分析対象に選定された.【結果】研究対象は健康高齢者や軽度認知障害者で,ICT機器を用いた介入が日常生活機能の改善や社会的なつながりの増加に寄与した.その一方で,個別支援の必要性や長期的効果の検証が課題となった.【結論】ICT機器は高齢者の自立支援に有効であるが,長期的効果の検証と個別化された介入の必要性が示唆された.