2025 年 44 巻 5 号 p. 513-521
振動やアラームなどで繰り返しフィードバックを与える腕時計型のウェアラブルデバイスを用いた介入は,脳卒中後の半側空間無視の改善に効果があることが報告されている.今回,急性期脳卒中後に半側空間無視を呈した患者に対し,30分ごとに振動によるアラームが作動するウェアラブルデバイスを装着した状態での介入の実施と生活動作における麻痺手の使用を促した.その結果,半側空間無視および無視症状・行動の病識の有意な改善を認めた.これらのことから,半側空間無視に対する介入として,ウェアラブルデバイスを用いることの有用性が示唆された.