作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
最新号
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
巻頭言
  • ─専門性を支える新たなパートナー─
    石岡 俊之
    2025 年44 巻5 号 p. 485
    発行日: 2025/10/15
    公開日: 2025/10/15
    ジャーナル フリー

    近年,医療・リハビリテーション分野における人工知能(AI: Artificial Intelligence)の活用は目覚ましい進展を遂げており,作業療法(OT: Occupational Therapy)の領域も例外ではない.実際に,「AI」と「作業療法」をキーワードとした学術論文は過去5年間で顕著に増加している.これは,評価支援,介入支援,業務効率化,教育など,多岐にわたる側面でAI導入の試みが活発化していることを示している.

総説
  • 東 ひなた, 胡 友恵, 鄭 弘敏, 四本 かやの
    2025 年44 巻5 号 p. 487-494
    発行日: 2025/10/15
    公開日: 2025/10/15
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,精神障害をもつ人の1)作業バランスに関する研究を概観すること,2)作業バランスの評価対象を明らかにすることであり,本稿では目的1)に関して報告した.スコーピングレビューを実施し,7つのデータベース検索とハンドサーチにより文献を収集後,選択した.結果,採用文献は18編で,その内訳は,横断研究13編,症例報告2編,介入研究3編であり,質的研究はなく,日本での研究は2編であった.介入研究は介入方法の異なる3つの研究に限られ,一般化が不十分であることと,質的研究がないことが,当該分野のギャップである.今後,海外で開発された評価尺度の活用に関する検討や,評価尺度の開発が必要である.

原著論文
  • ─障がい者観と作業療法の学びについてのインタビューを通じた予備的検討─
    中井 秀昭, 中島 嘉威, 尾藤 祥子, 山根 伸吾
    2025 年44 巻5 号 p. 495-503
    発行日: 2025/10/15
    公開日: 2025/10/15
    ジャーナル フリー

    本研究は,パラスポーツの学びが作業療法学生(OTS)の障がい者観と作業療法の学びに与える影響を調査することを目的とした.2022年度にパラスポーツプログラム(PSP)を履修した13名の学生を対象に,半構造化面接を実施し,KJ法を用いてデータを分析した.結果,パラスポーツの学びはOTSの障がい者への理解を深める機会となり,固定的な障がい者イメージを変容させる機会を提供することが示唆された.また,OTSは作業療法士としての視野を広げ,スポーツをリハビリテーションの手段として活用する視点やキャリアとしての視野を新たに得たことが確認された.

  • 坂口 雄哉, 村松 歩, 山本 祐輔, 奥谷 研, 平上 尚吾, 水野(松本) 由子
    2025 年44 巻5 号 p. 504-512
    発行日: 2025/10/15
    公開日: 2025/10/15
    ジャーナル フリー

    健常者12名を対象とし,ヘッドマウントディスプレイ(head-mounted display;HMD)とタブレットディスプレイ(tablet display;TD)が運動イメージ時の心理状況,脳波の活動および機能的結合性に与える影響を調べた.その結果,HMDを使用した場合に,TDよりも運動イメージ時の鮮明度が高いことが示された.また,多くの部位で脳波の活動が高まること,前頭─頭頂ネットワークに相当する前頭部─頭頂部,また視覚情報処理に関わる前頭部─後頭部の機能的結合性が高まることも示された.これらのことから,運動イメージの補助手段としてHMDがより有効である可能性が示唆された.

実践報告
短報
  • ─テキストマイニングを用いた実態調査の分析─
    濱田 匠, 伊藤 亜衣, 西尾 紗緒梨
    2025 年44 巻5 号 p. 583-587
    発行日: 2025/10/15
    公開日: 2025/10/15
    ジャーナル フリー

    本研究は,幼児期の自閉スペクトラム症児を支援する児童福祉領域の作業療法士(以下,OT)の役割を明らかにすることを目的に,自由記述式の質問紙調査を実施した.テキストマイニングを用いて共起ネットワーク図を作成した結果,「集団活動や遊びの機会の提案」や「作業遂行に基づく介入」「園と連携した子どもの生活支援」など8つのカテゴリーが命名された.これらの内容は,児童発達支援の役割である「本人支援」や「家族支援」「移行支援」及び「地域支援・地域連携」と類似しつつ包括していた.OTは,地域において子どもや家族の生活を支援する専門職として位置づけられ,その役割をOT自身も認識していることが示された.

訂正
feedback
Top