作業療法
Online ISSN : 2434-4419
Print ISSN : 0289-4920
実践報告
脳卒中後の重度上肢機能障害に対しエビデンスを基盤とした複合的アプローチを行った一事例
─発症早期から練習量を担保する工夫を行って─
梶本 千愛花田 恵介竹林 崇竹内 健太島田 真一
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2025 年 44 巻 5 号 p. 560-567

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抄録

重度の上肢機能障害を呈した脳卒中患者は,随意運動が困難であるがゆえ,改善に必要な練習量を担保しにくいことが多い.今回我々は,重度の上肢機能障害を呈した脳卒中患者に対して,発症早期から機能改善に必要な練習量を担保することに重点を置いて,エビデンスが確立されている複合的な介入を実施した.その結果,長期的な上肢機能と麻痺手の使用行動の改善を認め,日常生活や仕事環境で麻痺手の補助的な使用が可能となった.発症早期から練習量を確保するための複合的な介入は,本症例の良好な経過に寄与した可能性がある.今後は,重度の上肢機能障害の病期に応じた複合的な介入の指針を構築するために,継続した検討が必要である.

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© 2025 一般社団法人日本作業療法士協会

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