抄録
近年, わが国における橋梁下部工の耐震設計は, その設計基準の改定に伴って設計変数が大幅に増加したため, 非常に複雑なものとなっている.一般に橋梁下部工の耐震設計における入力条件と解との関係は非線形応答であり, 設計初期値の設定が容易でないほか, 得られた解がどの程度要求性能を満たしているもであるかを客観的に検証することは容易でない.
ここでは, ニューラルネットワークの一種である 「自己組織化特長マップ (SOM)」 を用いて, 設計技術者が視覚的判断によって効率的に有効な設計初期値を設定することができる, 支援システム構築に向けた研究成果と, その適用性について述べる.