土木情報システム論文集
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10 巻
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  • 伊藤 義, 石山 隆弘, 宇佐美 勉
    2001 年 10 巻 p. 1-10
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    非線形解析を行い妥当な解を得られるかどうかは, 解析を行う人の経験知識による所が大きく, 実務上の障害となっている. この障害を取り除くには解の妥当性を検証するためのベンチマークが必要である. 本研究では, 土木学会鋼構造委員会鋼構造物の耐震検討小委員会でまとめられた耐震解析用のベンチマークをWeb上で公開できる環境を整え, 非線形解析を行う技術者と研究者を支援するデータベースを構築した. データベースではWeb上での検索を効率よく進めるための規格Dublin Coreに従ったメタデータを扱い, データの追加・更新を継続的に行える環境を整えた. 利用者にとって非常に有用な情報を公開する事ができる事を明らかにした.
  • 木俣 昇, 二神 透, 大我 晴敏, 佐々木 麻衣
    2001 年 10 巻 p. 11-22
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    地方の時代に相応しい独自の防災計画が可能となるには, 地域の現状情報の獲得と計画案の評価を支援するシステムの整備が不可欠となる. 本研究では, 前者については解像度2mという「土地被覆分類図」の形での整備を前提にし, 後者について, まず, それをさらに「属性メッシュマップ」の形に変換・生成することで, 既開発の火災延焼シミュレーションとの連携化を行う・具体的には, この方式による実在の「属性メッシュマップ」と特殊なマップとを用いた20ケースの延焼面積の評価データを作成している. 次に, これらの結果を被説明変数とし, 木造建物比率と風速とブロック数とを説明変数とする重回帰式モデルを構築し, 決定係数で0.85という水準の結果を得ている. そして, 地域の航空写真から出発し, 土地可燃性指標を, この回帰式を用いて60mメッシュ単位で評価し, この指標のランク値を赤色の表示彩度差で地図情報化するシステムを開発している. 最後に, K市での適用を行い, 出力地図事例を示すとともに, その改善策の効果評価図も出力している.
  • 原田 崇司, 宮本 文穂, 中村 秀明, 金好 昭彦
    2001 年 10 巻 p. 23-32
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    著者らは, 従来より, 橋梁構造物の耐震性評価を行うための手法として地震動の不確定性を考慮した「損傷状態確率」をその評価指標として提案し, その指標を用いた「橋梁耐震性能評価システム」を構築してきた. このシステムをより良いものへと改良するためには, ユーザからの意見を集約するとともに, 実橋梁に関する種々のデータの蓄積が必要である. そこで本研究では, 「橋梁の地震時耐震性評価システム」のオープンシステム化を試みた. 特に, 多くの潜在的ユーザが存在するインターネット上で稼動するようにWWWシステムとして再構築を試みた. 本研究では, システム構築の際の留意点を述べるとともに, ユーザ満足度の一指標である応答時間について, 既存のハードウェアでの検討を行った.
  • 山崎 元也, 本郷 廷悦, 千葉 洋一郎
    2001 年 10 巻 p. 33-42
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    国士の建設から国土のマネジメントへの政策の転換, 建設CALS/ECの進展に伴い, 道路事業においても情報化の推進が求められている。道路の管理情報とは, 管理している道路の, 計画・設計時点における情報, 構築された道路の構造と幾何形状, 施工時の条件と品質, 利用者に対する交通サービス, 補修・改良の情報などが含まれる。これらの情報は, 事業ライフサイクル全般に亘って共有・活用すべき情報であり, 道路事業のフェーズの進展に伴って, 深度化されて行くという性格を有している。本研究では, 道路の管理情報の基本となるCADデータと付帯する属性データとを統合して整備し, 業務に活用するための道路データモデルを検討した。
  • 小島 尚人, 大林 成行, 古田 明広
    2001 年 10 巻 p. 43-52
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は、多様化する衛星データの画像特性評価情報を技術者支援情報として衛星データ利用者に提供するシステムを構築したものである。画像特性評価項目を「前処理、画像解析、後処理」に大別し、この項目別に「特性評価情報、関連情報、共通情報」といった3つの情報区分を設定した。さらに、WEBサイトのデータセットをデータベースサイトの管理情報を介して管理するためDSMS (Data Set Management System) を構築し、データセットの管理・運用の効率化を図っている。画像特性に関わる種々の評価情報を「衛星データ種別単位」で一元的にデータセットとして管理するだけでなく、インターネットを介して誰もが容易に情報を参照できるようになっている。データ利用者の立場から、従来までの衛星データを含めて次世代衛星データの画像特性評価情報を共有する必要性について指摘した上で、拡張性のある情報提供システムを実現している。
  • 三上 市藏, 田中 成典, 窪田 諭, 中村 修策
    2001 年 10 巻 p. 53-60
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    CALSの概念に基づき, 土木構造物のライフサロクルに渡って生成される多種多様で膨大な情報の中から必要な情報を効率よく抽出・利用できる統合データベースの検討が必要不可欠となっている.
    本研究では, 統合データベースの基盤としてGISを用いることを考え, 三次元CADデータを利用できる環境を構築した. まず, CADデータ上の特定の点に測地基準点を与え, CADデータの座標系を測地座標系に変換させた. 次に, 測地データのデータ構造を標準化するために測地スキーマを作成した. そして, CADデータを測地データに変換するフローを考案し, 出力フォーマットについて検討した.
  • 大崎 喜久雄, 松村 一保, 窪田 諭, 下妻 勇輔, 北川 育夫, 柴原 芳信
    2001 年 10 巻 p. 61-68
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    紙図面として整備されてきた道路台帳付図をデジタル化し, GISで利用するための方法を検討した. そして, 新規図面の整備段階において, 安価に容易に整備するための手法としてRTK-GPS測量を利用して基準点となる位置参照点を設置することを考え, その手法の有用性を確認した. 既存の道路台帳付図を有効に利用する手法を確立したことによって, 貴重な資産を無駄にすることなく, GISにおける基盤データの利用が実現できる. さらに, RTK-GPS測量によって安価に図面の整備を行えることを実証できた.
  • 松村 一保, 窪田 諭, 斎藤 恒夫, 清水 啓治, 大前 雄史
    2001 年 10 巻 p. 69-76
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    平成12年10月の地理情報システム (GIS) 関係省庁連絡会議での申し合わせでは, GISの整備・普及を早急に図る観点から, 「民間データの活用と品質評価の検討」が主要課題の一つとして挙げられている. 地理情報の相互利用を促進するため, 政府のデータを民間に提供するだけではなく, 民間のデータの品質を評価し, 適切な品質を備えたものは行政でも活用することが可能な環境を早期に整備する必要がある. そこで本研究では, 地方公共団体と民間企業が地域空間データを共用できるようにするために, ユーテロリティ企業が整備しているGISデータと行政が整備しているデータとを比較し, 品質を検証した. 本研究の成果によって, 民間のデータを行政で利用できることがわかったため, GISデータの整備・普及が促進される.
  • 杉尾 恵太, 磯部 友彦
    2001 年 10 巻 p. 77-86
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究は日常生活に必要な公共輸送網を計画する際に不可欠な情報について検討し、その提供を容易にする支援システムの構築を行うものである。この中で、今後の公共輸送網計画の策定には「行政」、「運輸事業者」、「住民」がそれぞれの視点に基づく路線案をまとめ、関係主体相互間で納得のいく調整が必要である。本研究で提案する計画支援システムはGISにより空間情報と交通関連情報を統合して処理し、また各々の関係主体毎に必要な計画情報を要求に従って作成できる。また、構築した支援システムを用いて、既存路線評価と新規路線設定の具体例を検討することにより、計画策定における支援システム導入の効果を確認できた。
  • 三上 市藏, 田中 成典, 窪田 諭, 吉村 直記
    2001 年 10 巻 p. 87-94
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年, 台風・豪雨による災害の割合が増加し, その被害が大きくなっている. 災害発生時に, 道路橋の被害状況を把握するためには多大な情報や時間を必要とする. しかし, 台風・豪雨を災害対象とする橋梁の防災システムは存在しない. 本研究では, 応急対策に必要な情報を抽出し, 橋梁と管理事務所のフィーチャを定義した. そして, 応急対策に必要な情報を利用できる橋梁防災システムを開発した. 本システムでは, 災害発生時の応急対策に必要な情報を日常からGISで管理し, 災害発生時に即座に情報を探し出せる. また, 橋梁の被害情報を収集し, GISに表示することで, 道路ネットワーク全体の被害状況を把握できるものである.
  • 矢吹 信喜, 岩崎 充乗
    2001 年 10 巻 p. 95-102
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 大規模・複雑化している有限要素解析コードの開発・メンテナンスの効率化, 高度な要素やソルバの協調的な開発環境の構築, 一台のコンピュータに負荷を集中させず分散させること, およびユーザがWWW上で高度なFEM解析を安価に出来るようにすることを目的に, 分散オブジェクト技術を利用した有限要素解析システムWebFEMを, オブジェクト指向言語Javaと分散オブジェクト環境HORBにより開発した. 本システムでは, 複数の各種要素およびソルバをそれぞれサーバに配置し, 分散サービスプロバイダを形成し, 使用頻度の高いソルバのサーバは複数用意し負荷分散を図っている.
  • 竹村 哲
    2001 年 10 巻 p. 103-112
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本システムは, 人間への負荷を分散しながら異なる視座から問題分析を支援する事を目的として試作したツール群である.各ツールとその支援を以下に示す.
    1) Stage1: 認知的節約を反映した問題の定性的弱構造化: MUPS (Mahjong-Like Idea Processing Simulation)
    2) Stage2: 多様な一対連関を配慮した問題の定性的強構造化: mrISM (muld-relational Interpretive Structural Modeling)
    1) は新規提案であり, 2) は従来型ISM法の改良によるものである.これらの融合によって以下の有効性が期待できる.Stage1のMLIPSによって, ISM法のみの適用に比べて一対比較における無駄な負荷が極めて少なくなる.Stage2のmrISMにより, 推移率によって発生する “ダミー” や “サークル” をアイデアやバイアス発見のキッカケに意識して用いることができる.MLIPSとmrISMとの併用により問題構造を上と横の視座で意識することができ, これら外在認識との対話の往復により認識収束化を促進する.試作システムは, TCL/TKによる.メニュー化およびカード操作支援と視覚的思考支援により具現化している.概要説明では, 政府広報の分析を試みている.
  • 矢吹 信喜, 齊藤 大輔
    2001 年 10 巻 p. 113-120
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 水力発電所の水圧鉄管の点検および点検情報管理を支援する目的で, 3次元プロダクトモデルを中心に, 現場検査支援システムおよび本部情報管理システムのシステムモデルを構築した. 本モデルでは, 音声入出力および電子タグを利用することにより現場検査を効率化し, 本部においては, 現場から送信された点検データを3次元プロダクトモデルに取り込み, 3次元CADシステム, GISシステムおよび属性データ表示システムとデータ相互運用を行うことにより, 点検情報管理を行うものである. 本研究では, 本モデルのプロトタイプシステムを開発し, 有効性等の検討を行った.
  • 蒔苗 耕司, 伊東 俊明
    2001 年 10 巻 p. 121-128
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, web3Dの道路施設管理システムへの応用として, 案内標識を対象とした管理システムを構築し, web3D技術のひとつであるVRMLを用いた3次元インターフェースの有効性について述べた.また属性データベースについては, XMLを適用することにより, Web上で利用可能なデータベースシステムを構築した.
  • 三上 市藏, 田中 成典, 石井 由美子, 奥 裕子
    2001 年 10 巻 p. 129-136
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では, 維持管理支援を目的としたWebベースの三次元モデルライブラリシステムを開発した.これは, 鋼道路橋の中で最も多く架設されている飯桁橋上部工を対象として開発されている既存の点検・補修履歴管理システムをより有用なシステムへと改良したものである.まず, Webを介してどこからでも利用できる形態のシステムにした.次に技術者の技術向上のため, 維持管理を対象とした情報の参照機能の充実を図った.そして, 鈑桁橋下部工の維持管理で扱われる情報を整理し, 飯桁橋上部工に関する情報に, 新しく飯桁橋下部工に関する情報を追加し, データベース項目と履歴管理機能を拡張した.
  • 近田 康夫, 中山 善隆, 廣瀬 彰則
    2001 年 10 巻 p. 137-146
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    多数の橋梁を維持管理するには, 橋梁と補修部位の組合せ問題を解く必要がある.本研究では, 橋梁群補修代替案探索問題をナップサック問題として取り扱い, 遺伝的アルゴリズムを適用する.その際に, 補修費用に占める割合の大きい足場を共有することを考えた.足場共有を考慮する方法の提案と, その結果補修代替案がどのように変化するかを示す.
  • 原田 隆郎, 富田 義紀, 横山 功一
    2001 年 10 巻 p. 147-156
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    道路構造物に対する維持管理費の増大に伴い, 近年, 橋梁や舗装, トンネルなどに対する経済的かつ予防保全的な維持管理の重要性が高まっている.本研究では, 遺伝的アルゴリズム (GA) を階層化させることにより, 複数橋梁の中・長期的な維持管理計画を策定する最適化モデルを開発した.数値シミュレーションの結果, 階層型GA最適化モデルでは局所解からの回避が実現できたとともに, 複数橋の維持管理計画の策定に関して有効であることを見出せた.
  • 吉田 耕一, 辻村 健
    2001 年 10 巻 p. 157-164
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    レーザターゲット位置検知システムを備えた掘削型小口径管られた位置偏差推進機の方向制御オペレーションにおいて, 得に対してどのようにマシンの方向修正を行えばよいかはオペレータのスキルに大きく依存していた. 本論文では方向修正量に対するマシンの運動特性を表す方向修正モデルを導入し、直接計測の困難なマシン先導体の位置・姿勢や周囲の土質状態と関わるパラメータをオンライン推定する技術について述べる. このマシン挙動の予測を可能にするモデルの導入により, 最適な方向修正量を算出・提示可能なオートナビゲーションシステムを構築し現場施工実験, の評価区間においてマシンの良好な方向修正制御動作が維持できることを確認した.
  • 廣瀬 彰則, 近田 康夫, 中西 孝臣
    2001 年 10 巻 p. 165-174
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    近年, わが国における橋梁下部工の耐震設計は, その設計基準の改定に伴って設計変数が大幅に増加したため, 非常に複雑なものとなっている.一般に橋梁下部工の耐震設計における入力条件と解との関係は非線形応答であり, 設計初期値の設定が容易でないほか, 得られた解がどの程度要求性能を満たしているもであるかを客観的に検証することは容易でない.
    ここでは, ニューラルネットワークの一種である 「自己組織化特長マップ (SOM)」 を用いて, 設計技術者が視覚的判断によって効率的に有効な設計初期値を設定することができる, 支援システム構築に向けた研究成果と, その適用性について述べる.
  • 矢吹 信喜, 志谷 倫章, 宮島 良将, 岸 徳光
    2001 年 10 巻 p. 175-184
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    構造物に関する情報を, プロジェクトライフサイクルの中で, アプリケーション・ソフトウェア間において, 共有したり交換したりすることにより, 全ての異なったプロフェッショナル領域の情報処理相互運用を可能にする目的で, プロダクトモデルの研究開発が行われている. 本研究では, 鋼構造接合部を対象としてプロダクトモデルを開発し, XMLを使用してコンピュータ上に実装した. さらに, 設計生成システム, 設計照査システムおよび3次元CADシステムを開発あるいは整備し, プロダクトモデルを中心に, これら3つのシステムとの間でデータを変換するコンバータプログラムを開発することにより統合化した.本システムに実際の設計例を適用することにより, その有効性を実証した.
  • 安藤 良輔, 田中 慎次, 永田 耕之, 市川 昌
    2001 年 10 巻 p. 185-192
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    従来の道路整備計画策定においては交通量配分および交差点飽和度計算による評価が主体的であった。本研究では, 交通流解析等で用いられている交通流シミュレーションを取り入れ, 交通量配分・飽和度計算・交通流シミュレーションを複合させた検討手法を構築した上, これまで確立されていない交通流シミュレーションによる評価手法・指標を提案し, 実際に国道156号岐阜市内区間の道路整備計画の検討に適用させた。
    その結果, 従来の交通量配分等による諸指標に加え, シミュレーションにおける種々の評価指標を用いることで道路整備計画案を総合的に比較評価することができ, 今後の道路整備計画の一手法として提案することができた。
  • 吉川 耕司, 金森 俊樹
    2001 年 10 巻 p. 193-202
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    本研究では地下鉄網を対象として、乗換駅の施設状況をもとに利用者の身体的条件に対応した乗換抵抗が算出でき、最短時間だけでなく移動エネルギー最小基準を取り入れて最適経路を求めることのできる「最適経路算出システム」を開発した。システムでは、階段等の設置位置と停車位置の関係から乗り換えの際の最適扉位置を推計して、算出する乗換抵抗値の精度を高めている。さらに、実際の運行ダイヤの情報を加味することで、乗換駅で多くの待ち時間が生じるケースの考慮も可能としている。そしてシステムを名古屋市営地下鉄に適用し、健常者と移動制約者の最適経路の乖離に関する分析等を行った。
  • 山崎 元也, 本郷 廷悦, 比屋根 一雄, 谷田部 智之
    2001 年 10 巻 p. 203-212
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    日本道路公団では高速道路設計のコンピュータ支援に向け, 工費や土工量バランス等を最小化する縦断線形最適化システムの研究を進めている. 最適線形探索の過程では数十万本の縦断線形を生成し, デジタル地形データからそれぞれ土工量を計算する必要がある. 従来のCADを用い人手で横断面を作成する平均断面法では, 1線形の土量計算に日単位の時間を要し, 多くの縦断線形を比較できなかった.本研究では, デジタル地形データかち直接土工量を計算するセル平均法を開発し, 土工量関数テーブルを作成することで, 1線形の土工量を0.1秒未満で算出可能となった. 既往設計例において平均断面法と比較し, 本手法の有効性を検証した.
  • 矢吹 信喜, 古川 将也, 加藤 佳孝, 横田 勉, 小西 哲司
    2001 年 10 巻 p. 213-220
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    橋梁のライフサイクルにおいて使用される解析, 設計, 積算等各種システム間のデータの相互運用を可能にするためには, 3次元のプロダクトモデルを開発する必要があると考えられる. 本研究では, まずPC中空床版橋を対象として, アプリケーションに依存しない3次元プロダクトモデルを提案し, XML (Extensible Markup Language) を用いて実装した.次に, PC中空床版橋の設計照査システムと数量計算・積算システムを開発し, これら2つのシステムと3次元CADシステムを, 3次元プロダクトモデルを中心に統合化した. 本システムを簡単なPC中空床版橋に適用させ, データ相互運用の効率化の検証を行った.
  • 奥谷 巖, 高瀬 達夫
    2001 年 10 巻 p. 221-228
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    景観分析は従来さまざまな角度からなされてきているが, 対象空間そのものの表現は具体的物理要素により行うのが一般的である. しかし, たとえ構成要素が同じ空間であってもそれらの配置や色彩などによってそれぞれの風合いが変わってくる. そこで我々は空間に固有な指標を用いて景観特性を抽出するために, フラクタル次元という概念を導入することとした. 本研究は景観における色彩の各種フラクタル次元を求めるとともに, 人の心理的評価との関連性を探り, 新たな景観形成時における心理的評価値予測を行うための指標となりうる可能性を検討する.
  • Shigeyuki Obayashi, Hirohito Kojima, Masako Takai
    2001 年 10 巻 p. 229-238
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    To support the better utilization of the information arranged through the national land surveys (e. g., termed the Land Classification Survey, the Water Survey, etc. as the public works), the providing and management system of those national land survey information has been developed, which is operated under the network environment. To design the data set structure, the following three divisions on the information are newly defined: 1) Prescribed information, 2) Common information, and 3) Related information. The Data Set Management System (termed DSMS), that contributes to manage the data sets in the web-site by linking the index-information in the database-site, is constructed so that we can operate and manage the data sets efficiently. The developed system in this study actualizes the unitary-management of the data sets with respect to the administrative district, as well as the easy operation to refer the information under the network environment.
  • Noboru Kimata, Keiich Kisino, Yasuo Siromizu
    2001 年 10 巻 p. 239-248
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    Recently demand for microscopic traffic flow simulators is increasing both from changes of problem situations we encounter in transportation planning and intensity of public involvement (PI) movement in public planning. We have been developing a new type simulator based on Coloured Timed Petri Net. This type simulator has potential to be put into practical use as PI support system. In this paper we present a more practically strengthened prototype system on Windows-OS platform and show its active supportability for development of individual simulations and accountability of their usage to a wide range of people involved. We demonstrate especially how newly developed menus such as drawing traffic-flow-net, tracing token behaviors on the net, making the individual places/transitions/arcs visible or invisible by selection, work and improve readability of Petri net description for microscopic traffic flows and contribute to putting the simulator into practical usage.
  • Kenichi Sugihara, Yoshitugu Hayashi
    2001 年 10 巻 p. 249-256
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    3-D Urban Models are the important information infrastructure that can be used for various purposes, such as, simulator for landscape evaluation, community planning and civil engineering. However, in order to realize 3-D urban model, the enormous time and money have to be consumed to design the model and to acquire the data for the model. In this paper, we propose the system to generate 3-D Urban Models automatically, utilizing and integrating GIS and CG. The programs have been developed to process the 2-D GIS information. Another program on the side of 3-D CG receives the processed data and generates 3-D Urban Models automatically.
  • Yusuke Mizuno, Masato Abe, Yozo Fujino, Makoto Abe
    2001 年 10 巻 p. 257-266
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    A prototype of an interactive support system for bridge visual inspection has been developed. The aims of this system are to complement a technical knowledge of skilled inspectors and to suggest several alternatives concerned with decision-making at a bridge site. A multi-tier architecture that consists of a web server and a database server has been adopted in order to reduce client-terminals' load, to compute at a high speed, and to store and centralize a great amount of information. Open-source software packages were installed in the server and a web-application tied-up with a database system containing reports of bridge visual inspections was constructed. A wearable computer and a mobile communication device allow a hands-free operation and a seamless communication between the client and the server.
  • Shigenori Tanaka, Hitoshi Furuta, Michiyuki Hirokane, Tomonori Takada, ...
    2001 年 10 巻 p. 267-276
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    The GPS is used in surveying recently. The results of GPS surveying contain errors due to the delay of GPS radio waves caused by vapor in the atmosphere. Developed in this study is a system which forecasts local weather by making use of GPS data under the influence of the vapor. The neural network technology was used to relate GPS data to weather conditions. In a preliminary experiment, the simulation of weather forecasting was carried out to select GPS data items to be used in the main experiment. A pilot system was constructed on the GPS data items of the preliminary experiment. The pilot system forecast sunny and rainy weathers correctly. Then the main experiment was carried out, the results of the preliminary one taken into account. In the main experiment, meteorological factors in addition to GPS data were used to construct a forecasting system, which forecast all weathers correctly except a mixture of sunny and cloudy weathers.
  • Shigenori Tanaka, Hitoshi Furuta, Etsuji Kitagawa, Hajime Noda, Hiroka ...
    2001 年 10 巻 p. 277-286
    発行日: 2001/10/30
    公開日: 2010/06/04
    ジャーナル フリー
    Three-dimensional CAD and CG, which make use of advanced computer technology, has lately attracted considerable attention. Also attracting attention is photogrammetric technology to acquire three-dimensional coordinate data from two-dimensional image data recorded by digital cameras. Photographing and the determination of measuring points are more difficult even for experts in ground photogrammetry, for which the demand is increasing, as compared with the same tasks in aerial photogrammetry which is used for the preparation of maps and so on. Accordingly it takes enormous labor and time to obtain accurate three-dimensional coordinate data by ground photogrammetry and, therefore, it has hardly been put to practical use yet. Under the circumstances, the object of the present study was to develop a system which enables us, without requiring expensive apparatuses or expertise, to create 3D model spaces easily and quickly just by taking two-dimensional digital photographs.
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