抄録
本研究では、建物の作り出す環境と周辺環境がもたらす空間の取り合い方に関する評価、つまり空間の「おさまり」の評価を良くすることは重要であると考える。おさまり感の評価構造の一端を明らかにし、各要素の特性を考察した。「おさまり」の評価は、環境要素-関係要素-感覚要素からなる下位評価構造を単位として、複数の下位評価構造によって成立していることを示した。下位評価構造を関係要素によって分類した結果、構造的、形態的、質的環境、意味的の大きく4つの環境認識のパタンを得ることができた。おさまり感の良い・悪いは両極的な心理尺度ではないことが、環境要素と環境の認識パタン、感覚要素などをみることで確認できた。