抄録
本研究は、同郷会の形態や活動の特徴と同郷会の地方(出身地側)と都市(居住地側)に対する役割・貢献の特徴を明らかにすることを目的とする。そして結果は次のとおりである。_(1)_同郷会はその形態において「近年に出身地の自治体と交流を図りながら創立」「50_から_60歳代が中心」「会員数はやや減少傾向」という傾向が全体としては見られるものの、出身地会と居住地会の間では会の創立、規模等において明確な違いがある。_(2)_同郷会の活動は4つに類型化でき、類型によって形態に違いが見られる。_(3)_同郷会は、出身地に対しては特に故郷のPRや都市との交流の面で、居住地に対しては新しい地域コミュニティやアイデンティティの形成という面で役割を果たしている。