2003 年 38.1 巻 p. 46-51
本研究は、大正・昭和初期の大阪における都市問題を扱った雑誌『大大阪』を資料として、当時の保健施策と都市環境整備の関係について分析・考察している。『大大阪』は大阪都市協会の機関誌で、大阪都市協会とは、大阪市政の発展と市民生活の向上を図ることを目的に、大正 14年 10月關一第七代大阪市長の発案で設立された大阪市の外郭団体である。分析方法は、『大大阪』の大正 14年から昭和 19年までに発刊された全 20巻のうち、健康というテーマや内容で書かれている記事を検索・取り上げ、さらにそのアイテムを細かく6つのカテゴリーに整理し、そのなかで、健康増進策と都市環境整備・改善手法の関連について記述しているものを取り上げ分析・検討をおこなっている。