抄録
本論は、歩行者空間の選択性の乏しさを指摘されてきた北海道の札幌市と旭川市を対象に、建築敷地内における共空間の整備の実態を分析し、共空間の連続による歩行者空間ネットワークの創出の可能性を検証した。分析の結果、共空間の連続によって歩行者空間ネットワークを形成している4事例を抽出し、グリッド都市の多様な基盤条件下で、各々の手法によって特徴的な歩行者空間を形成している実態を明らかにした。これらから、公共空間の整備を中心にして共空間を連続させることによって、多様な歩行者空間が創出できると考えられる。