2019 年 3 巻 論文ID: 2019-018
医療専門職教育において,チーム基盤型学習法(Team-Based Learning, TBL)は,基礎と臨床を統合した問題解決型学習に適している点と,将来のチーム医療を見据えた協働スキルを養成できる点,自らの学修に対する責任への意識を高める点で,有望なアクティブ・ラーニングの手法である.TBLにおける準備確認テスト(RAT)や応用課題演習をオンライン化すれば,医療専門職教育において多用される症例画像等を高精細に提示できるとともに,評価とフィードバックを迅速かつ正確に行え,学修成果の向上が期待できる.その一方で,症例画像等の患者情報を保護しつつ,個人所有のノートパソコンを用いて試験を実施することには,多くの困難を伴いうる.これらの課題を解決するため,クラス全員がタブレット端末を利用するICT環境を整備した.このシステムの概要と技術的な課題や運用上の課題について紹介する.