2003 年 38.3 巻 p. 541-546
札幌市営地下鉄は、高額の建設費を償還するには運賃収入だけでは採算が取れず、一般会計から補助金が投入されている。その結果、市の財政をも圧迫している状況である。また、累積欠損金も増え続け、次世代にも莫大な負担を強いることになる。札幌市民は地下鉄から多くの便益を受けており、その存続のためには何らかの形で負担をしなければならない。本研究はパーソントリップ調査のデータを活用し、地下鉄利用時間から長期的視野に立ち、世代間調整また地域間調整の観点から札幌市営地下鉄の債務負担問題について分析を行った。さらに、札幌市営地下鉄の債務問題について、世代間調整また地域間調整の観点から具体的な負担方策を提案した。