抄録
大阪府南部河内長野市の路傍祠の分布を調査し、調査データを地理情報システム(GIS)に入力して、地理情報データベース化し、路傍祠の空間的分布の特性を分析している。路傍祠の割合は、(1)神道系、21%、(2)仏教系74%、(3)それ以外5%である。所在地は、道路際に45%ある。向きについては、特に優先する方角はない。80%は、屋根をもつ。74%において、生花が供えられており、人々による維持管理の割合が非常に高い。1954年以前の旧市街地には多く、それ以後の新市街地などには、やはり少ない。旧市街地でも、直径600mの空白地帯が所々見られることなどを図で示す。地蔵と塞の神との習合が、この市において特異である。