本研究では、広域集客型エリアの商業的特性や空間特性を捉える試みの一つとして、「都市情報誌」において単独でエリア特集を組まれる等注目度の高い 28エリアについて、エリア内の町丁目単位での商業特性、また商業特性とメディアでの取り上げられたイメージとの関連について明らかにすることを目的としている。その結果、(1)商業統計業種細分類は、業種の広域性によって、「I.広域業種」「II.その他広域業種」「III.近隣業種」「IV.その他広域業種」の4つに分類されたこと、(2)業種構成比によるタイプ分類の結果、28エリアに含まれる町丁目は、「 a.広域バランス型」「 b.ファッション・雑貨中心型」「 c.食中心型」「 d. 近隣バランス型」「e.近隣ファッション埋没型」の5つに分類されたこと、(3)赤坂を除けば、「広域性の高い業種タイプ」の町丁目は連携し、一つの町丁目群を形成、周縁に「近隣性の高い業種」が拡がっていたこと、(4)青山・銀座・お台場・赤坂では、異なる特徴を持った商業集積がエリア内で見られたこと、(5)都市情報誌に登場するエリアのキーワードは、エリアを構成する町丁目の業種タイプ数と相関があったこと、などを明らかにしている。