本研究は、ヘルシンキにおける大学の立地過程を都市の成長との関連において歴史的に検討し、都市と大学がいかにして空間的な親和関係を形成してきたかを明らかにすることを目的としている。本研究では、ヘルシンキに位置する8校の大学のうち、それらの立地変化から明らかになった異なるタイプの中で、典型的な動きがみられかつ相対的に規模の大きい3つの大学を研究対象とし、以下の3点に焦点を絞り検討をしている。1)都心キャンパスの立地経緯およびその成長・存続過程、2)郊外キャンパスとその周辺との空間的親和関係の形成過程、3)都市内の工場等の跡地に移転した大学とその周辺地域との空間的親和関係。