2004 年 39.3 巻 p. 637-642
本論文は、金沢市の既成市街地における都市計画道路整備事例を対象として、整備に伴う沿道土地利用の変容の実態を明らかにし、都市計画上の課題について考察している。具体的には、沿道土地利用について、住宅地図帳を活用することにより、1965年より2003年までの長期的変動について分析し、敷地の特性と用途地域などの都市計画的指定内容との関連性を明らかにしている。また、土地利用の推移分析について、耐火建築物を吸収状態と仮定して、吸収マルコフ連鎖の適用方法を示し、その適用により耐火建築物の形成動向を明らかにしている。最後に、これらにもとづいて、都市計画道路整備による沿道土地利形成への影響と規制誘導上の課題を考察している。