抄録
地方中小都市の郊外部では、十分に計画的配慮のされないまま、住宅団地が建設され続けている。本研究では、福井市のベッドタウンとしてスプロール的な住宅開発が進んでいる丸岡町の白地地域に焦点をあて、居住者自身による生活環境評価から、これらの地域における宅地開発の問題点を提示し、今後の住環境整備施策への課題を提示する。建築確認申請書及び住民へのアンケート調査から、新規に供給された団地では、200m²以下の宅地が8割を占め、生活環境評価としては、これらの団地居住者の公共施設や医療機関、自然といったことへの不満が既存集落住民より多く、定住意向が中期居住者を中心に低下していることがわかった。