都市計画論文集
Online ISSN : 2185-0593
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交通インフラ整備が地域来訪者数増減に与える影響分析
旅行者の移動にハフモデルを仮定して
三浦 英俊
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ジャーナル オープンアクセス

2004 年 39.3 巻 p. 673-678

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抄録

本研究では,ハフモデルの枠組を用いて交通インフラ整備と地域来訪者数の増減の関係を解析し,効果的な交通インフラ整備の方策について議論する.はじめに国内における宿泊を伴う旅行(以下「宿泊旅行」と呼ぶ)データを用いて旅行者の目的地選択にハフモデルを適用し,都道府県間の国内旅行流動におけるハフモデルの有効性を検証する.次に旅行流動に関するハフモデルを仮定したうえでインフラ整備による地域来訪者数への影響の大きさについて考察し,旅行時間短縮に関する感度分析を行う.最後に, JTB宿泊白書データを用いて,都道府県ごとの有効なインフラ整備について考察する.考察の結果,以下の2点を明らかにした.第1に,宿泊を伴う国内旅行データを用いて旅行者の目的地選択が旅行時間と地域の魅力を用いたハフモデルによって説明できることを確認できた.第2に,交通インフラ整備は東京,大阪および福岡を地方の中心として行うことが来訪者増加のために有効であることが分かった.

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© 2004 公益社団法人 日本都市計画学会
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