抄録
本稿は『ユルバニスム』へと結実するル・コルビュジエの探求の足跡を、「ルネサンス・デ・シテ」の活動において主導的な役割を果した米国の都市計画家ジョージ・ビー・フォードとの関連から考察するものである。そのため、まず昀初にフォードの経歴と業績を概観し、その都市計画の特質を明らかにする。次に、その特質がル・コルビュジエによってどのように評価され、どのように「現代都市」の制作に反映されたのかを検証する。結論は以下の通りである。1)「現代都市」の対角線街路はランスの再建プランにおけるフォードの意図を忠実に反映している。2)「現代都市」の摩天楼はフォードから学んだ「ゾーニング条例」の基本理念を反映したものではないかという可能性を指摘できる。3)「現代都市」の空港はフォードが提示した敷地の問題に対する解答ではないかという可能性を指摘できる。