2005 年 40.2 巻 p. 8-13
本研究では、沖縄のビーチ設計における基準をヒアリング及び資料から整理し( 3章)、沖縄本島のビーチ利用者の陰空間に対する調査を行い( 4章)、ビーチにおける陰空間への量的・デザイン的意向とその空間実態から考察( 5章)する事により、ビーチにおける陰空間のあり方を考察する( 6章)ことを目的としている。研究の結果として、ビーチの陰空間の追加整備を欲するか否かは人の属性や利用目的よりも、天然ビーチであるか、人工ビーチであるかという、ビーチの属性の違いが陰空間への希求に強く繋がることが明らかになった。また、人工ビーチでの陰空間の整備の方向性では、人工ビーチは(1)常設陰空間の海からの距離が遠い、(2)陰空間増加を必要と感じている人が多い、(3)利用者の求める領域に常設陰空間がないということから、今後、人工ビーチの整備をする際は、「相互認識域」、「識別域」等利用者の求める領域内での陰空間形成を考慮した計画が必要である事が分かった。